底辺薬学生の不定期日記

日常を呟きより少し大袈裟に

僕たちの嘘と真実 Documentary of 欅坂46 感想

はい、どうもみなさんこんにちは!

 

朱雀飛鳥です。

 

今回はですね、映画『僕たちの嘘と真実 Documentary of 欅坂46』を観てきたのでその感想を書いていきたいと思います。

 

ばっちりネタバレをするつもりなので、ツイートでは無く古のブログを引っ張り出したというわけです。

 

というわけで以下感想です。ネタバレ注意です!

 

映画として

映画そのものの感想としては最高だった。この一言。

 

まず構成がすごく良くて、冒頭の“全員”の名前と菅井の表情、こっからもうかなり引きつけられるものがあった。


そのあと本編が始まるんだけど、平手がステージから落ちて暗転からの若かりし彼女の声と笑顔、もうゾッとする。もうこの時点でこの物語に引き込まれてしまった。

 

全体を通して必ずしも一方向性に時間が進んでくんじゃなくて、ちょっとずつ行ったり戻ったりしながら現在の平手以外の主要メンバーと過去の平手や自分たちと会話して確認していくように少しずつ進んでいって、デビュー当時あんなに屈託ない笑顔を見せてた彼女たち(まあ主に平手)から徐々に笑顔が減っていって冒頭の落ちるシーンに繋がっていく。これは不安とか怖さを一気顕在化させる演出だった。

 

ライブ映像とMV撮影とそれらの練習の映像を行ったり来たりしながら進んでく演出もすごく良くて、そこに差し込まれる過去の平手の声、現在の平手以外のメンバーの声がその演出に意味を持たせてた。

 

あと笑顔は減ってくんだけど、2期生が入って少し笑顔が戻るんだよね、だけど2期生が入りましたエピソードがサラッとしか描かれないからなんだかなにも知らない人たちが入ってきて笑ってるように見えた。でもその一方で笑顔を取り戻させにきた救世主にも見えた。

 

現在の平手以外のメンバーインタビュー映像もすごく良くて、間とか角度とかにもいちいち気が使われてた。2期生(田村、松田)が途中からインタビューを受ける場面、彼女たちはちょっと引きの画でなんとなく欅坂46の世界観に落とし込まれてないような雰囲気で撮られてたんだけど、最後に追加で撮られたであろうオンラインライブ後のインタビューでは1期生も2期生も関係なく同じようにカメラに対して真っ直ぐこっちを向いてるんだよね、それまでずっと斜めとか引きだったし明らかに1期生と2期生では撮り方が違ったのに、最後には全員が真っ直ぐこちらを向いて“過去”じゃなくて“未来”を語っている。この演出は震えた。


あとインタビュー映像でいうと、タカヒロさんだけはインタビュアーも写ってるんだよね、しかも機材以外何もない無機質な部屋で、それも大人だけで、それで最後の質問が“大人の責任ってなんだと思いますか?”マジで鳥肌が立った。


卒業者たち(まあ主に長濱ねる)の扱いもすごく良くて、平手友梨奈程じゃないけど、少し遠くにいるような存在に描かれてて、海辺を走るねるの姿の差し込みがもう不安を煽るというか死んじゃったんじゃないかみたいな雰囲気さえもたらしてて、ああもうねるはいないんだな感が今更きて心折れそうになった。あまりに素敵な演出、これをエモいと言うのだろうか。

 

 

内容について

さて、内容についてなんだけども、まあ疑問が解消されないって意見があったけど、ドキュメンタリーとして事実はしっかり描かれてた感じはする(ここでこの映画そのものが本当か嘘か論は無粋なので置いておいて)


で、この映画を観て単純に思ったことは、平手友梨奈以外にもファンはいたよ、平手友梨奈以外のステージを観たい人も最初からずっといたよ…って感じかな。


あとこれは感情移入しちゃった結果の感想なんだけど、俺だったら平手をどっかのタイミングで一発殴ってるね、ムカつくもんあんな奴普通に、まあそれほどまでに彼女は凄かったってことなんだけどね。


そしてやっぱり秋元康悪いよ。と思った。

何が言いたいかっていうと事件は現場で起こってるんだって感じ、平手がインフルエンザとかのっぴきならない事情じゃなくて、表現できないからとかなんとかいう抽象的な理由で当日にライブ跳んじゃうような子なんだって分かった時点で、他の子に“も”曲を書くべきだった。表現者としてどんなに平手友梨奈が優れていたとしても、貴方たちが作らなきゃいけないのは“欅坂46”のステージだったんだから。曲は平手を中心に書くけど、ライブ当日彼女がいなくても現場でどうにかしてねは通用しないよ本当は。最初の1回は仕方がなかったかもしれないけれど、1回そういうことが起きた時点で平手友梨奈がいないプランをあらかじめ考えておくべきだった。それがしたくないなら平手を殴ってでもステージに立たせなきゃいけなかった(多分できなかっただろうけど)だってお金を払っている人がいるから。“欅坂46”のステージ対してね。


多分平手がいなくなることを恐れていたのは、本当に自信が無かったのは、メンバーじゃなくて運営だったんじゃないかと思った。平手友梨奈がいなかったら客がこないのではないか、ペイできないのではないかと1番思ってたのは運営かスポンサーだったんじゃないかと。


インタビューの中で平手がいなかった時落胆されているような気がしたみたいなニュアンスのことを異口同音に言っていたけれど、そりゃ平手がいるもんだと思ってチケット買ってるんだからいなかったら残念に思うし落胆もするよ。たしかに平手が1番ファンはいたと思うけど、いなくて残念に思うのはどのメンバーでも一緒だったよと言ってあげたい。ああここまでファンの思いは届かないものか。


そう問題は平手が出ると告知してチケットを売っていたことなんだよ。不協和音の頃には平手がいなくても有明コロシアムを埋めるくらいの人気はあったと思うんだよね、素直に平手が出ないかもしれませんと言って、チケットを売るべきだった。そして繰り返しになるけどそれに足る曲を書いておくべきだった。売っておくべきだった。表現者として平手より劣っていた部分はみんなにあったかもしれないけど、現場の人も言っていたようにみんなにだって才能があった。普通の人は欅坂46にはそもそもなれないよ。

 

まあただ運営の人にも擁護できる点はあって、多分後に引けなくなっちゃったんだろうなとも思う。有明コロシアム武蔵野森全国アリーナツアーときて、今更平手がいない欅坂46を認めて有明Zeppに戻ることはできなかったんだろうと。もう東京ドーム興行を打つしかなかったんだと。結果論だけどやっぱり最初に跳んだ時点で対策を取っておくべきだった。


最終的に『10月のプールに飛び込んだ』で選抜制度まで取ったにも関わらず、またもや曲の表現ができないという理由でMV撮影当日に跳んだわけだ。選抜制にするのもいいけど、平手をセンターにしたいんだったら、平手をセンターにし続けるつもりだったんなら、歌詞とか曲とか彼女に相談してから作ればよかったのにどうしてそれをしなかったのだろうか、まあ運営のお腹はこの映画で結局金にしたから満たされたのかもしれないけど、初めて自分が乗った曲が公開されなかった2期生とか本気で関わった振付師とかクリエイターの立場はどうなるのよ、事件は現場で起こってますよおじさま達。


それでさ、9thが延期になった時に平手以外のメンバー集めて解散しなきゃいけないかもしれないという状況まで来ているとかなんとか言ってたけど、それメンバーのせいなの?ファンだからメンバー守りたいって気持ちが先行しちゃってるってのもないことはないだろうけど、そこまできちゃったのって平手のせいか平手をコントロールできなかったおじさま達のせいなんじゃないの流石に。写ってないところでとか色々言い分はあるだろうけど、少なくとも映画からはそう見えたよ。


運営のことを散々言ったけど、メンバー側の問題点として、いい意味でも悪い意味でも(まあ今回は主に悪い意味で)野心が足りなかったんじゃないかなという気はする。そういう意味でいうと今泉の卒業は激痛だった。それでもセンターに立ちたいと願っていた人間が居なくなってしまったのはマジで痛かったんじゃないかな。運営が悪いとは言ったけど、崩れるべくして崩れたとも言える。


加えるならば、欅坂46というグループには優しきキャプテンじゃなくて強烈なリーダーが必要だった。最初に平手が跳んでみんながウジウジしてた時に「うるせえお前ら立て、それでもやれ仕事だ馬鹿野郎」と言える人間が必要だった。突然いなくなった平手とかにさえ強気に出れる圧倒的なリーダーが必要だった。表現を語る人間と同時に、仕事を語る人間も必要だった。

 

表現に飲み込まれてしまっては維持は難しい、人間関係(この場合はグループの維持)っていうのはすごく社会性が高い行為なんだよね、表現っていうのはどちらかというとそれとは対極にある行為、つまり社会性を度外視してでも伝えるという行為だからグループ全体が表現に傾倒してしまった以上維持はやっぱり難しかったんじゃないかと思う。


個人的な話で言うと、平手以外のメンバーの気持ちめちゃくちゃ分かるって感じかな。私自身も自身の芸術性のなさと表現力のなさに打ちひしがれた人間だから、それを持ちあわせる人間を目の前にした時のどうしようもなくなるあの感じはすごく共感できる。


多分平手より歌が上手いメンバーとかダンスが上手いメンバーはいたはずなんだよ(この場合の上手いは主に技術面)だけど表現力と芸術性のこの2点においてどうしても到達できないんだよな。どんなに技術を高めてアイツより高く歌えてもアイツより早く動けても届かないその苦しさ、自分と重ねて思わず涙が出た。


タカヒロさんはやっぱり天才なんだろうな、俺にはわからない話ばかりだったよ。表現の話は難しいと本当に思う。


あと松田里奈ちゃんは本当に賢い人だなと、整然と喋るし頭とは関係ないかもだけど声が聞き取りやすい、まっすぐブレないで喋れる子だね。原田も良かったすごくこの子の言葉はよく伝わった。

 

 

最後に

最後に、思う所がありすぎて結構しんどかったけど映画としての完成度のおかげで最後まで観ることができた。こんなに色々思うってことはなんだかんだ彼女たちに魅入られたファンなんだと改めて自覚した。

こんなにも楽しませてもらえるモノはそうそうないから、彼女達がまだ物語を紡いでいくというのなら、その姿果てるまで見守り続けたいと思う。

 

それでは、ここまでお付き合いいただきまして、ありがとうございます!

 

けんきょ、やさしさ、きずな

YouTube

『僕たちの嘘と真実 Documentary of 欅坂46』新予告編
https://youtu.be/2d0aREJwL7A


欅坂46『誰がその鐘を鳴らすのか?』

from KEYAKIZAKA46 Live Online,but with You!

https://youtu.be/fOL3JDWG7aQ

 

iTunes

『誰がその鐘を鳴らすのか?』